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コワーキングスペース『D-SPOT-COM』Case

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共働スペースの開拓

第一住建グループでは自社ビルを所有。テナントを、法人顧客に貸し出している。賃貸収入を安定して得るためには、できるだけ空室を少なくしなければならない。
そこで新規顧客の獲得や既存顧客の満足度向上に向けて、ビルのワンフロアをコワーキングスペースとして改装。企画・運営で創意工夫し、会員の新規獲得や空室の改善を実現した。

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ビルの価値を高めるためには

第一住建グループの安定基盤を支える要因の一つは、自社物件による賃貸収入。しかし、空室が多いと収入が減ってしまう。いかにビルの価値を高めるか、またいかに法人顧客の満足度を高め、長期利用してもらえるかが重要になる。
そこで第一住建グループで新しく取り組んだのが、ビルのワンフロアをフリースペースにすること。法人顧客の社員の方々に休憩用やミーティング用のスペースとして利用してもらうことで、その満足度を高めることが目的だ。
南久宝寺町ビルの9階101坪をどんな場所に仕上げるか。ビル仲介の営業がプロジェクトリーダーとして任命された。
工事業者とやりとりするなかで、コワーキングスペースの存在を知った。コワーキングとはオフィスや会議室、打ち合わせなどのスペースを共有しながら独立した仕事を行う共働ワークスタイルのこと。
ビルのお客様だけではなく、外部の個人事業主や法人も会員化できれば収入が得られる。
2014年5月、コワーキングスペース『D-SPOT-COM』がオープンした。

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会員になってくれたお客様からのヒント

「ぜんぜん会員が増えない……」オープンから3ヶ月、会員数が思うように伸びなかった。
広報・宣伝をし、1ヶ月の無料キャンペーンも行っている。他のコワーキングスペースと比べると、内装や広さも優れている。
現状を打開するヒントをくれたのは、会員になってくれた個人事業主の方々だった。交流会での話をきっかけに、会員ターゲットを「起業間もない方」や「起業を志している方」に絞ることを思いついた。
『D-SPOT-COM』にはスモールオフィスもあり、第一住建グループで考えるとあらゆる立地・広さのビルもある。『D-SPOT-COM』でスタートした企業の成長に合わせたオフィスを紹介していくことが可能。それは会社が大切にしている“一生涯のパートナー”を実現することでもあるのだ。第一住建グループの物件に入居してくださっている企業のネットワークを使い、全10回の起業セミナーを企画。
結果、既存会員の満足度向上や新規会員獲得につながっていった。

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成功の先の新たな可能性

『D-SPOT-COM』のオープンから約1年が経ち、成果が見えてきた。
「この場所があるから入居したい」という法人のお客様が出始めたのだ。結果、南久宝寺町ビルは賃料を以前より上げたものの満室になった。
それは当初の「ビルの価値と顧客満足度を上げる」という目的の達成を意味している。また、会員数は順調に増え続け、『D-SPOT-COM』に併設されている4室のスモールオフィスも埋まってきている。なかにはスモールオフィスから第一住建グループのより広い別の物件へ移動したお客様もいた。
順調に成果が出だした『D-SPOT-COM』プロジェクト。
1店舗目のD-SPOT-COM本町が軌道に乗り、順調に売上を伸ばすことができた。次に候補となったのが長堀のビル。本町のエリアとは立地が異なるため、本町とは異なる新たなコンセプトによるD-SPOT-COMである必要があった。
そこで、他に進めていたお客様向けの自社オリジナルの珈琲がヒントとなり、珈琲に対してこだわりのある顧客をターゲットとした2店舗目のD-SPOT-COM長堀が2016年5月立ち上がった。

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2店舗目のオープン

2店舗目のD-SPOT-COM長堀。
コワーキングスペースには協働スペースの他、起業や小人数オフィスに最適なスモールオフィスが一体となっている。ビジネスの合間に珈琲を嗜む方が多いせいかスモールオフィスはすぐに満室となった。
より多くのお客様にご入居していただくため、スタッフルームを他に移すなどして増室を実施している。また、イベントを開催してスペースに定着してもらえるよう定期的なイベントを実施して会員様との交流を図っている。イベントは種類を増やし、珈琲イベント、ゲームイベントなど複数イベントを開催するようになった。 コロナ禍でイベント活動は停止中だが、オンラインを活用するなど会員同士のコミュニケーションは活発だ。
さらに増えた2店舗目のコワーキングスペースでお付き合いのあるお客様の「一生涯のパートナー」となるべく今後もいろいろなサービスを提供していく。